見出しにおける約物のバランスと合成フォント


見出し・タイトルの組版のポイント!「約物と合成フォント」

グラフィックデザインやWebデザインでは、見出しを和文で組む時に「約物(やくもの)」を使用し文字を組む事が多いです。特に「見出し・タイトル」は目立たせる為にデザイン的に処理したり、文字の級数を大きくしたり、色を設定したり、カギ括弧を使用して組版で目立たせたりします。デザインの基本中の基本ですのでデザイナー未経験者の方は必ず、業界専門用語も含めて理解していって下さい。今回はシンプルな例を用いて約物と文字のバランスを紹介していきます。

最初に!約物とは?

デザイナー未経験者の方は耳慣れない言葉だと思いますが、約物は「やくもの」と読みます。主に、句読点や括弧類、リーダ、感嘆符、疑問符等、漢字・ひらがな・カタカナでは表現できない時に使用するものを意味します。これらはデザインにおいては、文字を組む時に、版面(ハンヅラ)の印象へ大きな影響を与える部分になりますので、デザイナーは慎重に取扱う必要があります。

モリサワ社のリューミン Regularの具体例

それでは、プロのデザイナーが使用する事の多いモリサワ社のリューミンという書体を使用して、具体例を交えて紹介していきます。ウェイトはRegularで組んでみました。決して組版としては間違っているという訳ではないのですが、見出し・タイトル等に文字の級数を大きくして組むと若干違和感を感じる文字組みになります。よりバランスのいい所を探して調整していく必要があります。

リューミン Regularの例

リューミン Regular(モリサワ)はカギ括弧が大きくデザインされていますので、カギ括弧と文字とのバランスが若干気になります。また中黒「・」の丸の黒い部分が少し太く感じます。

この「カギ括弧・中黒」2つのバランスをとる為に調整した具体例は以下となります。

組版を調整後の具体例

組版の調整方法

調整方法として、約物の書体を変更しました。起こしカギ括弧・受けカギ括弧、共に「小塚明朝 Pro(Adobe)」へ変更。中黒は「A1 明朝(モリサワ)」へ変更。

先程のリューミン Regular(モリサワ)だけで組んだ例と、比較するとバランスがとれている文字組になっています。バランスの取り方、調整方法が、このやり方だけが正解という事ではなく、様々な組み合わせで調整が可能です。中黒は書体は変更せずに、級数だけ下げて黒味を減らす事も多くのデザイナーさんが使っている組版の調整方法でもあります。組版のやり方は正解があるわけではないので、自分なりの調整方法や組版のルールを模索してみて下さい。

実際に手を動かしてみましょう!

調整後の具体例を良く見ると、感じる方も多くいらっしゃると思いますが、平仮名の「の」の2文字のバランスを調整すると、さらに良い「見出し・タイトル」が組めそうな雰囲気です。実際に組んでサイズを変更したり、書体を変更したり、バランスのよい組版に挑戦してみて下さい。

Webデザインとグラフィックデザインの異なる点

ここで文字組のやり方で大切なポイントはWebデザインの場合とグラフィックデザインの場合では、方法が異なる点です。使用するアプリケーションソフトが違いますので、方法も変わってきます。

Webデザインの場合

WebデザインではFireworks・Photoshopを使用してデザインデータを制作しますが、こういった「見出し・タイトル」の調整は一つ一つ手動で設定する必要があります。

グラフィックデザインの場合

グラフィックデザインの場合は「Illustrator・InDesign」の「合成フォント」という機能を使って組版のルールを設定していくことが可能です。手動で一つ一つ設定していくと作業時間が掛かりますので、「合成フォント」機能を使用して版下データ(デザインデータ)を作っていきます。