グラフィックデザイナーとイラストレーターの境界線
グラフィックデザイナーとイラストレーターは基本的には全く異なる職種ですが、現在はグラフィックデザイナーとしても、イラストレーターとしても、仕事を任せられる場合があり、両方のスキルが高い方はデザイン事務所や制作会社から重宝されて高待遇を受けている場合も多くなっています。
デザイン・イラストレーション兼任の背景
兼任の背景にはコンピューターが普及し、MAC(Illustrator・InDesign・Photoshop)でデザインの版下データを作り始めた時代からその役割が変化しはじめました。版下データ制作の過程がコンピューター・MACの価格が下がり、普及し始めた事により、デザイン・版下制作作業が合理化され、以前までは職人的に先輩デザイナーの元で仕事を一つづつ覚えていた事を、MACを使用することによって合理的に学ぶ事ができるようになりました。その結果、デザイナー人口も増え、競争が始まり、仕事の単価自体も下がる流れも一部でてきはじめ、制作会社やデザイン事務所で受注した仕事の予算が低い場合は、プロの商業イラストレーターに外注する予算が組めないので現場のデザイナーさんがイラストレーションの制作も担うような流れができました。
兼任の問題点とは?
以上の流れの中で発生しはじめた問題点は、現場のデザイナー1人が担う仕事の量が増え、範囲が広がり始めた事です。MACを使用してデザインする以前はデザイナーはデザインを、文字は写植屋の職人さんが担当。写真はプロのカメラマンが担当。イラストレーションはプロのイラストレーターが担当するという、大きな流れがありましたが、現在はデジタルで合理的に学ぶ事ができ、高度経済成長時代が終わり、バブル崩壊後の日本経済の縮小によりクライアントの広告宣伝費の予算縮小等、様々な理由が重なり、兼任のケースも増えています。その結果デザイナー1人が担う仕事の量も増え、その実現にあたって、学ぶべき範囲も増えつつあります。
完全な分業制を設定しているデザイン事務所・制作会社も実在
このように、兼任する事は低予算の仕事や、会社の利益には貢献できますが、現場で実際働いているデザイナーに大きな負担がかかり、最終的に成果物(デザインして納品したもの)のクオリティに影響もでるケースもあります。このような問題点をクリアする為に、完全に分業をルールとして決め、経営を行っているデザイン事務所・制作会社も実在します。
デザイナーとしての転職を考えた場合のポイントとは?
現在グラフィックデザイナーとして勤務していて、転職を考えている方は、デザイナー1人が担当する業務の範囲が広がっていますが、どの分野に軸をおいて将来のキャリアを設計していくかが重要なポイントになります。近年は特にWebデザイナーの人材不足が、グラフィックデザイン業界にも影響し、グラフィックデザイナーがWebデザインの仕事を担うケースも増えており、ますます業務の範囲が広がっています。以下にグラフィックデザイン業界の「主な業界分類」を挙げましたので、忙しい業務の間に考える事は難しいかもしれませんが、空いた時間で将来どのようなデザイナーになりたいのか?明確に目標を設定して、それを実現できる、又、近づける仕事を行っている企業に転職して下さい。
キャリアプランを設計する為の業界分類
- 広告デザイン
- ブランディング・ロゴ・CI・VI・プロモーションツール等のデザイン
- 雑誌・エディトリアルデザイン
- コミック・音楽等のエンターテイメントのグラフィックデザイン
- 書籍・小説等のブックデザイン
- 手帖・カレンダー・ステーショナリー関連のデザイン
- セールスプロモーションに特化したデザイン
- Webデザイン
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