フォント・組版の基礎的な知識
グラフィックデザイナーやWebデザイナーへ未経験者の方が転職活動を行う前に知っておいて欲しい「フォント・組版」に関する基本的な知識を紹介します。現場では業界の専門用語を使って、仕事の打ち合わせや、デザインの作業を行いますので必ず覚えておいて下さい。この基本的な知識と専門用語を押さえてから書体や組版の勉強をして下さい。
フォントの基礎的な知識
業界未経験者の方にとっては、フォント・書体・組版の基本的な知識は、転職するにあたってとても重要な知識となります。ここでは組版や書体を学ぶ前に知っておいて欲しい、フォントの基本的な用語や知識を紹介します。
- Open Type
- 以前は様々な形式のフォントを使用していましたが、現在の主流のフォント形式はOpen Type(オープンタイプ)と呼ばれている形式のフォントを主に使用しています。Windows・Mac共に共通のプラットフォームです。その他True Type形式のフォントも時々使用されています。
- フォントのサイズの単位
- グラフィッックデザインでは「級(Q)」、Webデザインでは「ピクセル(px)」で設定しデザインの作業を行う事が主流となっています。Photoshop・Fireworks・Illustratorの環境設定で種類を選択できますので、行ってみて下さい。
- 約物
- 括弧や句読点等は、プロの現場では、総称として「約物(やくもの)」と呼ばれます。約物は組版の際に重要なポイントとなります。約物と漢字・ひらがな・英数字の空きの設定等、プロのグラフィックデザイナーになる為に学ぶ事項としては、重要なポイントとなります。
- 横組と縦組
- 文字を横に組む事を横組。縦に組む事を縦組。アルファベットを多様する時、グラフィックデザインの際は左開きの書籍・雑誌は横組を基本に。右開きのものは縦組を基本にデザインする事が多いです。ページの開きと組版の基本的な関係を理解してみて下さい。
- ルビ
- 漢字の上や横にふる「ふりがな」を意味します。「ひらがな」「カタカナ」適時使いわけも行います。児童書や専門書等のグラフィックデザインの現場で使用される専門用語です。
- 禁則
- 文章を読み易くする為に、特定の文字が文章の先頭(行頭と言います。)にあってはならないとする規則です。代表的なものに、終わり括弧「 )」、句読点「、 。」、疑問符「?」、感嘆符「!」、音引「ー」きがあり、グラフィックデザインの際はこれらが文章の先頭にあったら違和感を感じるので、Illustrator・InDesign等のソフトで禁則処理を設定する事が基本となります。Webデザインの場合はデヴァイスフォントを使用する際はブラウザーが解釈し、自動で禁則処理が行われる設定になっています。
- トラッキング
- 一文字、一文字、の字間を個別に調整するのではなく、文章のまとまり全体の文字間の間隔を調整する際に使用します。
- カーニング
- 一文字と一文字の間のスペースを調整し、文字の組み合わせに対して調整する際に使用します。見出しを組む際に使用します。
- Webフォント
- Webサーバーにあるフォントデータを読み込んでインターネット上でも画像としてでなく、デバイスのフォントとして認識させ表示させるフォント。Webフォントが開発されるまでは画像として書き出していたフォントが、テキストデータとして取り扱うことができるので世界中で急速に普及していきました。Windows、Mac OS、iOS、Android等、様々なデバイスで共通のフォントで表示できるのが最大の利点です。無料で利用できるGoogle Fontsが有名です。
グラフィックデザイン・Webデザインにおいては、紹介した内容はフォント・組版に関する最低限の基本的な知識となりますので、これからデザインを学ぼうとしている、業界未経験者の方は必ず覚えておいて下さい。転職活動後も必ず役に立つ知識です。
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