印刷における解像度の基本と設定方法は?
グラフィックデザイン・DTPで版下データを作成する際に、写真やイラストレーション・画像等をスキャンする際、又フォトグラファーから貰ったデータをAdobe Illustrator・InDesignでレイアウトし張り込む作業があります。ここではその際に重要になってくる「解像度」について紹介します。転職活動を行っているグラフィックデザイナー・DTPオペレーター未経験者の方の中で、「解像度」への理解に自信が無い方は必ず理解して下さい。
解像度とは?
デザイナーが、グラフィックデザイン・DTPで版下データを作成する際に、写真やイラストレーション・画像等をスキャンする際、又フォトグラファーから納品された写真の「TIFFデータ・PSDデータ」をAdobe Illustrator・InDesignでレイアウトし、張り込む作業があります。ここで「画像」をPhotoshopでEPS形式・TIFF形式のデータを作成する際に、解像度の設定が重要になってきます。モニターで見た状態と実際に印刷される状態は全くことなるからです。解像度が不足している場合は、印刷すると画像が荒れた状態で印刷されてしまいます。
印刷に適切な解像度とは?
- 印刷に適切な解像度の基準値は「350pixel/inch」
商業印刷における適切な解像度は一般的には「350pixel/inch」で設定しています。ビルボード・駅貼り等の大型広告の場合は解像度を下げて版下データを作成し印刷会社に入稿しますが、グラフィックデザイナー・DTPオペレーター未経験者の方は最初にPhotoshopで解像度を「350pixel/inch」でデータを作成できる事を身につけて下さい。
オフセット印刷の線数
商業印刷のほとんどがオフセット印刷で印刷されています。その際に網点がもたらすスクリーンが1インチ(2.54cm)の幅で何本使用されているか?その値が線数となります。インクと紙の性質など、様々な条件から日本のオフセット印刷は「175線」が業界の標準となっています。近年はより高精細な印刷を実現する為に「300線・700線」等の印刷技術も発展してきました。Photoshopでは、印刷を行うために線数の倍の解像度で画像データを制作する事を求められます。175線での通常のオフセット印刷では「350pixel/inch」でEPSデータ・TIFFデータを制作する必要があるのです。
PHOTOSHOPでの解像度設定の方法
業界未経験でグラフィックデザイナーへの転職する為にグラフィックデザインの基本を学んでいる方へ、PHOTOSHOPのファイルを「新規作成時」に解像度、他の設定を解説していきます。基本的な事ですので理解に自信が無い方は、難しい操作では無いので、必ず理解しておきましょう。
1. ファイルを新規作成

Photoshopでファイルを新規作成する際は、解像度を設定できる項目がありますので、最初「72pixel/inch」となっていた場合は、350とキーボードで数字を入力して設定して下さい。印刷の場合はカラーモードは「CMYK」へ設定。「幅・高さ」のサイズは「mm」で作成するサイズの数字を入力して下さい。サンプルでは「A4 縦」の210mm x 297mmで設定しています。
ショートカットがポイント!
プロのデザイナーは仕事中、Photoshopでファイルを新規作成する際はショートカットを使用します。仕事の現場では使用頻度が高いので、ショートカットを覚えておきましょう!
Photoshop「ファイルの新規作成」のショートカット
2. 解像度を設定

解像度を「350pixel/inch」へ変更したら、カラーモードはグラフィックデザインの場合は「CMYK」ですので、「RGB」でなくて「CMYK」になっているかどうか必ず確認して下さい。問題なければ、最後に右上の「OK」を押して設定作業は終了です。
グラフィックデザイナー職の募集している企業の求人広告で「求めるスキル・経験」の欄に「Photoshop・Illustratorの基本的スキル・知識」と明記される場合は、解像度に関しては、デザイナーとして最低限求められる「知識」の項目にあたります。転職活動前に必ず理解しておきましょう。
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