デザイナー、クリエイターが知っておくべき「秘密保持契約」
グラフィックデザイナーやWebクリエイターなどの仕事内容によっては、企業の秘密情報を取り扱う場合が多く、「秘密保持契約(NDA)」の締結が慣例化されています。
しかし、秘密保持契約について把握しておかないと、意図的ではないにしろ違反にあたる行為をしてしまい、責任を問われる可能性もあります。そのような状況に陥らないためにも、秘密保持契約を正しく理解しておきましょう。
秘密保持契約は信頼関係を築く糸口
秘密保持契約は、発注者と受注者の信頼関係を築く糸口となります。
デザインを発注する企業は新商品の情報やターゲット層、販路情報などの外に流出するとライバルを有利にするような秘密情報を提示するのですから、信頼できる相手にしか情報提供したくないと考えるのが通常でしょう。受注者であるデザイナー・クリエイターは、一般に公開されていない情報を得やすい環境にいるため、企業との信頼関係がなにより大切です。
しかし、過去に取引をした実績が無ければ信頼関係を築けているはずがありません。そのため、秘密保持契約を締結することが重要となります。秘密保持契約は情報を外部に開示せずに保持することを義務付けるもので、これから信頼関係を築いていく相手に信頼してもらうための契約なのです。
大切な宝を守る秘密保持契約
デザイナー自身にとっても契約を結ぶことは重要です。デザイナーの宝である、オリジナルデザインやコンセプトモデル、業務に関するノウハウなどを守れます。秘密保持契約にしっかり明記しておかないと、第三者に利用される恐れがあります。
契約によっては、発注側の企業と受注側のデザイナー双方を対象にせず、デザイナーのみに義務を定めている場合もありますので、契約を結ぶ前に必ずチェックして下さい。
不正競争防止法との関係性
原則として、契約は取引を交わした当事者同士を拘束するものです。つまり、契約を違反した当人には損害賠償を請求できても情報を得た第三者を罰することはできません。その不安要素を補うためにも、秘密保持契約の締結は必要不可欠です。
不正競争防止法では、「営業秘密」を保護する規定が設けられています。その営業秘密として認められる要件は、「秘密として管理されていること」です。秘密保持契約の締結は、その要件を満たす対策の一つなのです。
そのため、事前に秘密保持契約を締結しておくことで、万が一第三者に大事なアイデアやオリジナルデザインが漏洩したとしても、情報流出を食い止められる可能性があります。
トラブルを未然に防いで大事な宝を守るためにも、秘密保持契約を締結する際には記載内容をしっかりチェックして下さい。
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